手書きのほうがたくさん脳を使う

また、手書きでメモを取るほうがタイピングよりも脳の広範囲を使うことが知られています。交通事故にあって脳挫傷を起こした方は、同じ内容でも手書きのメモは取れなくても、タイピングのメモなら取れることがあります。手書きのほうがたくさん脳を使うため、脳も活性化されます。

とはいえ、メモを取りさえすればどんな方法でも構わないというわけではありません。脳科学的にダメなメモの取り方を順番に解説していきましょう。

1・会議の翌日に書き出す

記憶にインプットされた情報は、仕入れたその瞬間から消えていくもの。3日後には9割を忘れるといわれています。最も記憶に残るメモのタイミングは、情報を仕入れている最中。ただし、その場でメモを取れないなら、直後にメモを取るのが正解です。

2・やたらとノートを使い分ける

ノートを用途別に分けることで、それぞれのノートがどこにいったのか探すことになります。これは完全に時間の無駄。ノートは一冊に統一しましょう。一冊にまとめるメリットは、メモをすぐに見返せること。メモを取るたびに過去のメモを遡れるので、自然と復習ができます。脳科学の研究では、同じ情報は一週間に3回復習すると定着率が一気に上がることが知られています。復習の頻度を上げるためにも、ノートは一冊にまとめるべきです。

3・タイピングでメモする

実は、メモはノートにまとめるよりも、デジタルデータにしたほうが参照しにくいのです。過去にメモした情報を見返したいとき、単語を検索できればよいですが、その単語すら浮かばないときは無駄な時間を割いてしまいます。一方、手書きのメモならばページごとにひと目で全体を参照できます。また、前述したように手書きのほうがタイピングよりも脳が活性化されることが知られています。メモの細かい編集はデジタルデータが向いていますが、重要なことの書き出しや、アイデア出しは原則、手書きでメモしましょう。

4・レジュメや裏紙にメモする

講演会などでは、配られたレジュメにどうしてもメモを取ってしまいがちです。が、このメモは常に持ち運べないため、復習できません。絶対にNGです。それでもレジュメにメモをしたときは、スマホで写真を撮ってください。時系列で写真を並べれば、参照できます。私はレストランのメニューも写真で撮影して料理と一緒に見返せるようにするほどの“メモ魔”です。