PANA=写真
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菅直人首相夫人 菅 伸子(かん・のぶこ)
1945年、岡山県生まれ。津田塾大学卒業後に早稲田大学に編入し卒業。70年に結婚。3度落選の夫が80年の衆院選に初当選してからは、選挙区をくまなく歩き、市民の声を夫を通して国政へ届けるサポート役に。茶道師範。


 

菅政権が、いつまで続くのかは不透明極まりないが、そんな中で存在感を高めているのが、菅直人首相の伸子夫人だ。津田塾、早稲田の両大学を卒業した才媛。結婚は、学生時代に菅家に下宿していて、いとこの直人氏と親しくなったことがきっかけ。

国政選挙に出馬した夫の3度の落選に耐えて支えてきた。女性キャスターとの不倫事件では「バカたれ!」と一喝して片づけ、度量の大きさを示した。夫が厚生大臣に就任したときには、伸子夫人の進言でエイズ問題を解決に導き、年金未納問題で民主党代表を辞任したときは、社会保険庁の不手際が原因だったことを暴いた。

そんな伸子夫人が、夫の首相在任中にもかかわらず『あなたが総理になって、いったい日本の何が変わるの』(幻冬舎新書)を上梓。新書部門でいきなり第6位(オリコン調べ)になった。選挙演説は夫より上手で、幹事長顔負けの選挙参謀でもある。

「9月の代表選で菅が負けるかもしれないから、首相公邸には9月までの洋服しかもっていってない」と、新聞取材に応じて答えるなど、ストレートなもの言いにも好感をもたれている。

ねじれ国会に対しては、「みんなの党」の公務員制度改革を丸呑みするように進言。自ら「家庭内野党」を標榜し、菅政権に対しては辛らつな批判をする。酒豪で知られ、ついたあだ名は「のぶゴン」。その政治的信条は夫よりスケールが大きく、市民感情により近いともいわれる。

9月で菅政権は終わる可能性も指摘されるが、「和製ヒラリーになれるかもしれない」「気が強くて鼻っ柱も強い。基本的には出たがり屋」といった政界関係者の声もある。問題は、ヒラリーの夫クリントンのような度量の大きさが菅首相にあるかどうかだ。

(PANA=写真)