健康保険に続いて、国民年金の負担も

日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務付けられている。しかし、大学生の場合、申請によって、在学中の保険料納付が猶予される「学生納付特例制度」というものが設けられており、これにより本人の所得が一定以下の学生については、国民年金保険料の納付の猶予が認められている。

ここでの本人の所得が一定以下、という所得基準が次のように定められている。

118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

親に扶養されている学生に扶養親族はいないので、結局、実質的な所得基準額は118万円ということになる。この118万円を超えると免除されていた国民年金を支払わなければならない。国民年金保険料の額は、年によって変わるが令和元年の場合は月額16,410円であった。年額にすれば、196,920円ということになる。

国民年金は、支払った期間が長ければ老後にもらう年金が増える仕組みだから一概に支払うことで損をするとも言えない。しかし、少なくとも20歳前後の若者にとって、50年も先の受給額より目先のお小遣いや学費が重要なのは言うまでもない。

勤労学生控除という仕組みもあるが…

このように考えると学生バイトには103万円、118万円、130万円という壁があることがわかる。勤労学生控除という制度をご存じの方は、上記のうち103万円については、勤労学生控除で救われるのではないかとお考えかもしれない。

勤労学生控除とは、勤労学生に該当すれば、27万円の勤労学生控除を使うことができ、学生本人は年収130万円まで所得税がかからない仕組みである。

しかし、扶養控除の判定では勤労学生控除は加味されない。あくまで納税者本人の控除の制度である。所得税だけに関係する制度なので、学生納付特例制度においても適用されない。さらに給与における家族手当も、その判定基準が親の扶養家族になっているか否か、すなわち103万円の基準で決まる制度になっている場合には、家族手当も削られてしまう。

子どもは、「自分が所得税を納めないで済むように」という認識だけでアルバイトをしているかもしれない。だが、子どもを扶養している親としては、金額によっては親の税金が変わるためコントロールが必要であることを認識してもらわなければならない。

アルバイトで稼ぎ過ぎて、本稿のように子どもに国民健康保険(国保)や国民年金の保険料の支払いが発生した場合、社会保険料控除にすることで所得税・住民税を減らす効果はある。しかし、多額の支出が生じること自体は確実であり、親子で話し合うことが必要であろう。

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