130万円で社会保険の扶養家族からも外れる
親が会社員であれば、会社の健保組合に加入しているはずである。この健康保険(健保)は、被扶養者についても保険証を発行してくれる。この被扶養者になれるかどうかの基準が「被扶養者の年収が130万円未満であること」とである。そのため、アルバイトをした結果、子どもの年収が130万円を超えると被扶養者から外すという手続きが必要になる。
被扶養者から外された子どもは、国民健康保険に加入することになり、自分の収入額を基準に市区町村に国民健康保険料を支払うことになる。市区町村によって所得に掛かる料率は異なるものの7~9%くらいとなる。さらに均等割りという定額部分があるため、年収が130万円を超えている状態では、年間10万円近い国民健康保険料が学生本人に掛かってくることになる。
なお、親が自営業者などで国民健康保険に加入している場合もあろう。この場合、国民健康保険の料率は、世帯の所得が基準になっている。したがって、子どものアルバイト先から市区町村に提出された給与支払報告書が親の所得に加えられて、親の翌年の国民健康保険料も増えてしまうことになる。
扶養控除、被扶養者から外れると手当も削られる
多くの企業では、従業員に扶養家族がいる場合に家族手当を支給するという給与制度を取っている例が多い。この家族手当を支給する基準は、一般的に年末調整時等に扶養家族として届け出をしているか、健保で被扶養者となっているか、すなわち103万円か130万円の基準で運用されている。
ということは、会社の給与制度によっても異なるが、子どもが103万円超あるいは130万円超のアルバイトをしてしまったことで、親の家族手当が削られることが生じる。仮に家族手当が月額2万円であれば、年間24万円が消えてしまう。会社員など給与所得者特有の問題ということになるが、飛んでいく金額はバカにできない額であるといえよう。