「防衛機能の知性化」を止める極端な方法とは

ただ、こういった本能に近い習慣はなかなか治せないものです。意識こそはするもの、しばらく経つとまた元通りに戻るのが常です。人には「サーモスタット機能」があり、変化を嫌う傾向があります。

ロミオ・ロドリゲス Jr『メンタリズム 最強の講義』(日本実業出版社)
ロミオ・ロドリゲスJr.『メンタリズム 最強の講義』(日本実業出版社)

そこでこういった習慣を変える最新の方法論をご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。これはウェブ音楽販売大手「CD Baby」の創設者でライターでもあるドレック・シバース氏が提唱する納得の方法です。

私たちが変化できないのは、そのやり方が間違っているからです。いや、間違っているのではなく、やり方が「甘い」のです。

シバース氏はシーソーの比喩を用いて説明をしています。

私たちが何かを変えたいとき、その状況はシーソーの片方にレンガがたくさん積まれている状況ですが、そのレンガを1つずつ反対側に移動したとしても、バランスが変わることはないわけです。そんな悠長なことをしていると、一生かけても変わらないのです。

1つずつではなく、「一気」に動かす。根本的に改善したいなら、極端にならなければならないというわけです。つまり、防衛機能の知性化を止めたい場合、全くその反対の人間になればいいのです。

理屈っぽさをなくすには一気に変える

先ほど理屈っぽさの度合いを測るために使用したリストがありましたが、そのリストの反対の人間になるようにするわけです。ここで変更するポイントは1つではなく、9つあるのがミソです。

人間は1つのことを変更するのは、実は簡単そうで難しい。しかし、ここでは9つも項目があるので、すべての項目をこなすためには、力の分散が必要になってきます。実はこの力の分散がうまく働き、すべての項目の変更を成し遂げられなくても、結果的にこのうちの2、3項目を変えることになり、理屈っぽさが消えていくのです。

ちなみに変更するポイントは次のような9つになります。

・感情的になってもいい
・知識を披露しない
・ほどほどに
・のんびり
・周りのペースに任せる
・こだわりを持たない
・度を過ぎた論理的な物言いは相手に嫌われると考える
・ポイントのみ伝える
・そもそも会話で競争しない、勝ち負けの考えをしない

いかがでしょうか? 理屈っぽさが消えれば、人に嫌われはしないし、毛嫌いされることもないのです。何よりもストレスを抱えなくてすむのです。

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