上から目線で理屈っぽい人は、なぜそうなのか。メンタリストのロミオ・ロドリゲスJr.氏は、「自信のなさやコンプレックスを隠すために理屈に逃げ込んでいるだけだ」という――。

※本稿はロミオ・ロドリゲスJr.『メンタリズム 最強の講義』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

頑固な夫との戦いの後に気分を落ち込ませた妻
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「疑い深い観客」をコントロールする方法

心理学などに基づく暗示を使って見る人の意表をつくパフォーマンスを「メンタリズム」といいます。

メンタリズムのステージにおいて、メンタリストに疑いの目を持つ人は必ず一定数存在します。「俺はだまされないぞ」「全部トリックを見抜いてやる」などと身構える人たちです。そういう人はおおよそ椅子に深く座り、少し沈みがちな姿勢になるので、ステージから見るとよくわかります。

私はそんな人をわざと指名して、ステージに上げます。どんな疑いの目を持っていても、やはり突然ステージに上げられたら観客は緊張するものです。

そこで、これから起こるパフォーマンスについて説明をする際、ありったけの心理専門用語を多用します。しかも「もちろんご存知のように……」という言葉を加えて。

すると、相手は恥をかきたくないという心理が働き、素直に説明についてうなずくようになり、徐々にこちらのペースに持っていくことができます。

メンタリストならこういうタイプをコントロールする術は知っているので、特に問題はないのですが、「1」をいえば「10」くらいにして言い返し、理論であなたを完膚なきまでに論破しようとする人があなたの周りに1人や2人はいるはずです。

このような人種にはかなりの共通する点があり、そのうちの一つに「専門用語」や「難しい言い方」をすることが挙げられます。相手が会話についてこられないように、こうした言葉を多用するのです。

とにかく相手がこのまま会話に参加できなくさせること、これがこの種の人間にとって重要なのです。そしてメンタリストは、このようなタイプの人に対して、前述したように先に仕掛けていくのです。