グデーリアンの決断でフランスの運命は定まった
多くの軍事史家は、スダンの敗北と5月14日のグデーリアンによる決断で、フランスの運命は定まったとしている。
まさしく、敢えて装甲部隊を突出させ、長駆進撃するとのグデーリアンの決定が、連合軍の敗北を招いたのだ。
今日、グデーリアンの戦略次元における能力に対する批判や疑義は、けっして少なくない。にもかかわらず、彼の作戦次元での能力は卓越していたとの評価はなお盤石である。
かかる称賛も、1940年5月14日に示されたようなグデーリアンの作戦的判断力に鑑みれば、ゆえなきことではない。しかしながら――グデーリアンは、この勝利を完成させることができなかった。