秘匿性のある安全資産としての「金」人気

さて、不安定さを増す金融市場だが、各国の中央銀行が金利を引き下げていることから、世界中の国債利回りが低下している。その結果、金利のつかない金への注目度は近年にない高まりを見せている。

金には安全資産としての魅力もあり、現在のような金融市場の混乱期には、金市場は資金の逃避先としても扱われることになる。金には国籍がなく、どこでも同じ価格で換金できることから、これまでも現金の代替先として扱われることが少なくなかった。

金には所有者にとって秘匿性があり、保有しておくことで資産保全において安心感を得ることができる大きなメリットがある。また、換金性が高いため、いつどこでも現金化が可能である。だからこそ、金は資産家や富裕層に人気があるわけである。

現在は資金不足になった投資家の換金売りにより金価格は高値から下げているが、最終的にはそれほど大きく下げることはないだろう。というのも、各国政府・中銀にとって、金はきわめて魅力的だからである。

中・ロを中心に進む「金の爆買い」

そう感じるのには理由がある。近年、これらの公的機関は着実に金保有を増やしているという事実があるのだ。その中でもとくに目立っているのが、中国とロシアである。

金の調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、2019年末時点のロシアの金保有高は前年比158トン増の2271トンとなっている。また、中国は同95トン増の1948トンで、世界の公的機関の中でそれぞれ6位と7位に位置付けられている。

主要国の金の保有高の推移(トン)

このほかに金保有高を増やした国としては、保有高10位のインドが34トン増の633トン、14位のトルコも159トン増の412トンに増やしている。また、15位のカザフスタンも35トン増の385トンとし、23位のポーランドも100トン増の228トンとしている。