金1オンス=2000ドル時代に個人はどう生き残るか
さて、そんな時代を個人がどう生き抜くか、だ。
金保有を進める中・ロの行為が、直接・間接的に金市場に効いてくることになる。そして、これらの金は、いったん購入されれば、まず市場に出回ることはないだろう。つまり、金需給は着実に引き締まることになる。このような需給面の材料を理解していれば、一般の投資家も金を保有することの重要性を理解できるだろう。
低金利状態が常態化する中、投資家は金利のつかない金に対して、現金以上の価値を見出すことになろう。さらに、世界情勢の混迷もあり、世界の投資家はますます金に資金を振り向けることになる。金価格はいずれ1オンス=2000ドルを超えて、さらに上値を追う展開になっても何ら不思議ではない。
株式・金・現金の3分割法を
これまで多くの投資家は、株式と債券を中心とした資産運用を行ってきたと思われる。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でいまは株式市場が青息吐息である。
むろん、運用の中心は株式市場で良いと考えるが、その比率は見直してもよいだろう。とくに日本の投資家は、そのほとんどが金に投資していない。現在の市場リスクを考慮すれば、株式、金、現金を3分の1ずつ保有するくらいの大胆な配分が良いだろう。
株式については、個別銘柄が不案内であれば、主要株価指数に連動する上場投資信託(ETF)で充分である。そのうえで、株価が大きく下落した時に、現金を投入して株式に資金を振り向けるなど柔軟に対処すればよいだろう。
債券価格は上がらない、買うなら割安の「株」と「金」
現在は世界的に金利がほとんどない状態である。つまり、債券価格はピークである。今後金利が上昇すれば、債券価格は上がらないことになる。いまは債券に投資するタイミングではないことは明白である。むしろ、割安になった株式と金に同時に資金を振り向けることが肝要である。
「株式を購入するときには、金を同時に購入する」ことが、これからは重要である。このスタンスを守っていれば、今回のような株式市場の変調にも耐えられるだろう。
今後、このスタンスが資産運用の王道になるだろう。とくに金については、ロシアと中国が今後も保有高を増やす可能性がきわめて高いこともあり、下値リスクが限られることは改めて付け加えておきたい。