オンライン診療の普及で医師の使い分けがますます広がる
さらに、もう一点。今後、対面ではなく、電子機器を用いて、離れた場所にいる医師などにかかる遠隔診療が普及する可能性があります。私自身もオンライン診療は積極的に行っています。
そうすれば、ますます専門的なことは、都市部などに集中している狭い領域の専門家に相談し、日常の不調や心配は身近な医師に相談する…という形式が普及してくると考えます。
総合病院も、本来、待ち時間が長く、日常の細々としたことを相談するには適しているとは言い難いです。紹介状なしでいきなり病院にかかった際の追加料金も、今後多くの病院で徴収される傾向にあります。頼れるかかりつけ医を探して見つけることが重要です。
なかなか思うような医師が見つからないこともありますが、折り込んで行動するのがよいでしょう。大切なパートナー選びには時間がかかるのです。
ホームページの顔写真は笑顔なのに…
Q:ネットで評判のいいお医者さんをかかりつけ医にと考えています。ネットでかかりつけ医を探すときに注意することはありますか?
A:医師の顔が載っていないホームページは要注意。載っていても、かかってみないとわからない。写真はあてにならない(笑)。何はともかく、かかるべし。
「ネットで調べてかかったんです」50代女性の浦部さんがおっしゃります。
「そうしたら…?」
「写真は笑顔じゃないですか? それなのに実際はブスっとしてつっけんどん。感じが悪くてびっくりしました」
「そうだったんですね。しばしばありますね」
「えっ、そうなんですか?」
「写真は“盛る”ことができますからね」
「ああ…“映える”ってやつですか?」
インターネットで検索して医療機関を受診する方も増えています。
実際、私のクリニックも、一切広告を出していないので、インターネットをご覧になって来られる患者さんが100%です。私は写真を盛っていないので「そのままですね」と言われます。けれども一般のクリニック写真などは、できるだけ感じがよく、親しみやすいように考えて撮影されています。
なので、蓋を開けてみるとびっくりということがあるのですね。
これはテレビによく出ている医師にも言えることで、口コミなどを拝見していると、実際にあったらテレビでの気さくな感じは一切なく、対応もよくなく驚いた…というようなものもありますが、それはテレビ向けのキャラクターであり、期待するのはちょっと誤りかもしれません。
大切なのはご自身にとって、何が最も求めるものなのかを明らかにしてかかることです。力量があって、接遇も良ければ最高ですが、全部そろっているということは多いわけではありません。
求めるものは、クールな診断と治療なのか、安心できるような優しい姿勢や眼差しなのか、それによって望ましい医師は変わりますし、それに合うようにチョイスしていけばよいでしょう。