あっちの世界からこっちの世界に引き戻す

組織には「2:6:2」の法則が働くと言われています。

全体の上位2割が、常に高い成果を上げるハイパフォーマー層。真ん中の6割が、大きな期待はできないがきちんと仕事はこなす標準層。下位の2割は貢献度が低く、能力不足だったり、モチベーションの低下だったり、理由はさまざまですが、成果を上げられない残念層です。

Jリーグの入れ替え戦のように、下位2割といってもそのうちの上半分の1割は、標準6割の下の層と入れ替え戦を戦っており、一定の競争心が見られます。ところが最下位の1割層には、現実世界で生きていない妖精・妖怪が生息しているのです。会社業績が厳しい時であれば、真っ先にリストラの対象となるため、危機感を持って踏ん張るでしょうが、昨今の人手不足や働き方改革、パワハラの法制化によってたかをくくっている節があります。それを現実世界に引き戻す必要があるのです。

最下位1割は「危機感」がないと腰を上げない

もし、現実世界に生きていないのなら、まず自分の立ち位置を認識させることが必要になります。

2020年は、昨年の消費増税の影響で景気の悪化が確実ですし、6月には軽減税率さえ終わってしまいます。さらに昨年から本格化した米中貿易戦争による世界景気不安、加えて新型コロナウイルス肺炎の蔓延、さらにはオリンピック需要が3月には終了します。日経新聞を見ても企業の業績予想は軒並み「減益」となっています。

少なくとも自分はローパフォーマーであるという認識があるのであれば、こういう世界情勢に翻弄されるであろう自社の中での自分の立場は相当危ういことは分かるはずです。