「国の動きは遅い」を前提に早め早めの慎重な判断する企業

【2009年新型インフルエンザでの企業の教訓2:国の判断を待たずに迅速に動けるか問題】

前出の大手IT企業の部長は、2009年当時、「日本政府の(新型インフルエンザの)情報は何もなく、アメリカのCDC(疾病管理予防センター)の情報をベースに判断した」とも語っていた。

米疾病予防管理センター
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当時同社では、メキシコでは感染者の死者が多数出ている一方、アメリカは1人もいなかったことから、通常の季節性インフルエンザ並みの軽度被害として対応。ただ、どう変異するかわからないために、予防策として業務出張や個人旅行はできるだけ見合わせることにしたという。

国の動きは遅いということを前提に早め早めの慎重な判断をすることが企業の生命線となるのだ。

今回の新型コロナは現在、政府は「国内発生機早期」としているが、今後、「国内感染期」に入る。世間の動向をにらみながら対応を企業は迫られることになる。

新型コロナ対策をいち早く打ち出した日本の企業

新型コロナ対策で企業は具体的にどんな動きをしているのだろうか。

一部上場企業の人事担当者は内部で検討している対策を明かしてくれた。その主なポイントはこうだ。

・社員に対して、個室に50人以上が集まる集会や宴会への参加自粛要請・時差通勤や在宅勤務を奨励し、国内外の出張も規制
・中国からの帰国者は14日間の健康チェックを受けないと出社禁止(中国現地法人への出張も原則禁止)

この人事担当者によれば、やはり国や自治体の指導方針を待っていては遅いため、独自の自己防衛手段を検討し実行する方針だが、それでも危惧している点があるという。

「クライアントなどとの打ち合わせが制限され、会議や業務が困難となれば受注している仕事の納期が遅れ、大打撃を受けるかもしれない」