男性の方が「結婚年齢先延ばしリスク」が高い
「確かに、女性は子どもを産むのだから『結婚は急ごう』と特に意識改革をしないとね! 男性は出産しないから、多少のんびりしていても結婚できるけれどね」と、実際のデータとかけ離れた思い込みが語られる場面にでくわすことがいまだにあります。
しかし現実は、男性のほうが「結婚年齢先延ばしリスク」が高い、ということがデータ上では示されています。ここで再び【図表3】を見てみましょう。
20歳前後で独身でいる理由について、女性より男性のほうが10ポイントも「まだ若すぎる」と思っているから、とする回答割合が高くなっています。つまりそれだけ「いつかは・いつかは」と結婚相手探しを先延ばしにする傾向が、男性のほうが強いことがわかります。この先延ばしの結果ともいえるかもしれませんが、年齢を追った未婚率の推移に男女で差が出てきます。
男女の未婚割合差については、【図表4】を見てください。グラフからは、女性は30代前半ですでに「婚歴なしの未婚者」が3割しか残っていないことがわかります。
20代後半が運命の分かれ道
一方、同年代の男性ではまだ5割が「婚歴なしの未婚」状態です。すでに30代前半で、男女のかなり大きな未婚格差が生じているのです。
これが20歳前後の年齢ゾーンであれば、男女とも9割以上が結婚しておらず、男女の未婚格差はほぼ見られません。読者の皆さんご自身のことを思い起こしていただいても、大学のキャンパスや入社したての20代前半当時の職場では、自分と同じくらいの年齢の異性が見渡す限り、ほとんど未婚の状態だったと思います。
しかし、20代後半になると女性側の未婚率が大きく下がり始めます。男性の未婚者が7割の高さにとどまっているのに対して、女性は6割にまで減少します。まだまだのんびり構えている男性を横目に、女性は20代後半には結婚相手探しのアクセルを大きく踏み込み始めることがデータからは見えてきます。
こうした女性の結婚に関する行動の変化に気がつかず、「まだまだ俺は若いし」「焦るのは女性の話」と男性が考えていると、30代前半になったときには、気になっていた「あの子」も「この子」もとっくに人妻だった、ということが起こってしまうのです。