今は、彼氏の会社を買収するのが目標
——「メンヘラせんぱい」も自分で使っている?
CEOということを伏せて使っています。すごい楽しいです。彼氏が帰ってこなくてしんどかったときに相談したら、“せんぱい”が普段は彼氏とどんな時間を過ごしているのかを聞いてくれました。どういうデートをしたとか、次はどこに行きたいと思ってるとか。幸せなときを思い出させてくれて、「仲良いですね」「ちゃんと(彼氏に)思われてるじゃないですか」「心配しなくていいと思うよ」って安心できる言葉をかけてくれたり。
あとはなんで不安に感じるのかを聞かれたことで、「浮気してないと思うけど、してたら嫌だっていう被害妄想かも」っていう私の本音を引き出してくれました。まあそこは、設計時に作ったマニュアルどおりなので、「ちゃんとマニュアルに則ってやってくれてるな」って気づいちゃうんですけど(笑)。
——もともと起業するつもりはなかった?
彼氏がイベントの制作会社を経営しているので、将来的に彼氏の会社を手伝えたらいいなーくらいの気持ちはあったんですけど、そんなに起業したいとは思っていなかったですね。起業した今は、彼氏の会社を買収するのが目標です。ロックアップと呼ばれる制度を使って、彼氏を束縛したいんです。
ロックアップは、買収された側の経営者がすぐに辞めてしまうと事業が回らなくなってしまうので、数年間は企業に残ってくださいね、というものなんですけど、その期間をむちゃくちゃ長く設定できれば、結婚するより長い期間一緒にいられるんですよ。法律的に認められるかはわからないですけど、50年とか、できれば死ぬまで縛りたいですね。
ビジネスの世界の「大人」が怖かった
——起業して苦労したことは?
しばらく大人が怖かったです。もともとフリーランスのライターをしていたんですけど、そのとき周りにいた大人はみんな優しかったんですよ。編集者さんとかライターさんとか。私にとって最初の社会経験がそこだったので、その感覚のまま起業したら、ビジネスの世界は違っていてびっくりしました。同じ内容を二人の大人に相談したら、お互いが「もう一人の相談してる人は本当に信用できるのか」と疑ってきたりとか。
私、迷うことはあまりないんですけど、税金とか、資金の集め方とか、ビジネスの面で単純にわからないことは多いんです。そういうときは無理に自分だけで判断せず、大人を頼るようにしています。ただ、一人二人に聞いてもわからないので、ある程度自分が信頼できる大人「全員」に聞いて、判断するようにしています。
これは私に限ったことじゃなくて、学生やエンジニアの起業家はお金周りのことで失敗しやすいって言われているみたいです。学生は社会経験がないから、エンジニアは技術に興味が偏っていてあまりお金に執着がないからですかね。私は「学生」と「エンジニア」の両方なので本当に危険で(笑)。実際、社会経験は少ないですし、お金周りのことはできればやりたくないと思っているので、当てはまってますね。あと、ビジネスの知識がないので、金額が大きくなると3億と5億の違いがわからなくなったりすることがあります。