「キミに2億円の価値はあるのかな?」
「キミに2億円の価値はあるのかな?」
これは、私が持っている採用基準のひとつです。
企業が新しい人材を採用する。そこには、大きなコストがかかっています。つまり、企業にとって採用とは投資でもあるということです。
どんな投資かといえば、新卒でひとりの人を採用したとしましょう。その人に支払う毎月の給与や賞与、さらには経費を合わせると数年間で2億円なんて軽く飛んでしまうのです。
ですから、私は採用するときには、「それをどのぐらいの期間でリターンできる人なのか」という基準をひとつの物差しとして持っています。
では、そうしたその人の可能性や活躍する姿をどのようにイメージするのか。
杓子定規な面接対応や、冒頭のようなアピールでは、到底そうしたイメージを持つことはできません。やはり、経験から持つことができた価値観や経験から身につけた能力といった点を重要視して判断するしかないのです。
「何をやりたいか」に興味はない
「この会社に入ったら、○○をやってみたいです」
これもまた、多くの就活生が面接で用意している文言だといえます。
ですが、私を含め多くの面接官は、就活生の皆さんが何をやりたいのかなど、実はあまり興味がないのです。
ここで重要なのは、「何がしたい」ではなく、「何ができるのか?」ということ。ビジネスに直結する何かしらの能力を持っていて、それをしっかりとアピールできるかどうか。そこに2億円の価値を決める手がかりがあるのです。
例えば、「私には営業力があるので、さらに成長して会社の事業を伸ばせます」と言えば、「なぜこの子に営業力があるのか」を面接で繙いていきます。
営業力があるという根拠を訊ねていき、実際に新規事業にトライしたことがあって、そのときに営業力が磨かれましたといったロジックがあるかどうかを面接官は知りたいのです。
また、ごくまれに「私は仕事に関しては何もできないかもしれませんが、誰よりも社交的なので部署の雰囲気を明るくできると思います」という就活生がいます。私の物差しでは、このような子は採用します。なぜなら、こうしたケースで私が見ているのは人柄だからです。
その人柄プラス、あとはそれを打ち出す力、それをイメージさせる力。こうした力を持った人を採用した結果、高い確率で活躍する人材になっているというロジックが私にはあるからです。
つまり、私の採用基準では合格ということになります。