関西3空港▼大阪万博では関西3空港で、関西らしいサービスを提供します

国際競争よりも訪日客の満足度を向上

――関西国際空港は2016年から民間資本の運営になりました。

【山谷】関西エアポートは、16年4月からの空港コンセッション(譲渡)の第1号として、オリックスとフランスの空港運営会社であるヴァンシ・エアポートとの共同で関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)の運営を開始し、18年4月から神戸空港を合わせた3つの空港の運営を行っています。空港を株式会社化して運営するケースは以前からありましたが、政府が主要株主でした。関西エアポートは民間資本で経営する初めての取り組みです。

――空港間競争はどう捉えていますか。

関西エアポート社長CEO 山谷佳之氏

【山谷】関西国際空港については、営業収益が伸びていますから、いま伸ばせるチャンスをどうすれば最大限取り込めるかが、最も重要な課題であると考えています。空港の国際競争は、あまり意識していません。空港として仁川や北京などと比べられることも多いのですが、もしそういう競争を続けるならコンセッションという考えは成り立たないでしょうし、そもそも日本の場合は、それほど大きな空港規模の拡張はできません。経済成長のただ中にいる国と比較してもしかたないのではないかと考えています。

――関西圏の旅客需要について、見通しを教えてください。

【山谷】まだ伸びると見ています。30年にインバウンド6000万人という政府目標に向かって、この4、5年の大きな変化は、観光産業が日本各地で立ち上がって、8兆円を目指す大きなマーケットになると見込んでいます。

観光はサービス産業の塊です。関西の大阪や京都などには外資のホテルなどの大型ホテルが増えていますし、心斎橋も人が溢れている。それが世界に知られて、街も清潔で治安もいい、という評価が高まりプロモーションになる、という好循環が生まれました。