「強制隔離」と騒いで「ハンセン病」政策失敗の轍を踏むな
【NG5:中国人を排除する】
新型コロナの発生地が中国ということから、SNSでは、「中国人は強制送還せよ」「強制隔離しろ」「中国人観光客を入国させるな」といった意見を見かける。しかしコロナウイルス属は人獣共通感染症である。人の移動は制限できても、渡り鳥などの飛来は制限できない。また中国製農産物へのウイルス検査も困難だ。
日本国内での新型コロナ発症例は、今のところ武漢市滞在者か、その濃厚接触者に限られている。これはあくまで私の推測だが、もしも精度が高く安価で迅速な検査キットがあったら、日本国内における感染者・発症者の存在がもっと多く報告されるのではないか。
新型コロナウイルス騒動を受けて、米国株は5日連続で下がったが、1月28日には反発した。状況は予断を許さないが、こうした相場の値動きを見ると「深刻な流行にはならないだろう」と考える人が増えたのかもしれない。感染症の恐怖感から「強制隔離」と騒ぐ風潮は、かつての「ハンセン病患者の強制隔離政策」のような悲劇を生んでしまう。いたずらに騒ぐべきではない。
繰り返すと、有効な対策は、手洗い・うがいの励行、マスクの着用、不要の外出を避ける、十分な栄養と睡眠をとる、である。こうした「基本の対策」を徹底してもらいたい。