三重県志摩市の志摩市民病院は、志摩市南部の在宅医療で重要な役割を担う中核病院だ。かつては毎年7億円の赤字を垂れ流す「ダメ病院」だったが、病院長を兼任する医師の江角悠太さん(38)の改革で、「どんな患者も絶対に断らない病院」として再生した。そんな江角さんを動かしたのは、医師である父親の「人生を人のために使いなさい」という言葉だった——。(後編/全2回)
※本稿は、『プレジデントFamilyムック「医学部進学大百科 2020完全保存版」』の掲載記事を再編集したものです。
年間赤字7億円にもがく若き病院長を救った「研修生」たち
前編で紹介したように、年間7億円の赤字で苦しんでいた三重県・国民健康保険志摩市民病院を見事に再生させた病院長の江角悠太さん(38)。だが、それは自分1人で成し遂げたものではない。江角さんが巻き込んだ多くの研修生がいたからこそできた面も大きい。
例えば、34歳で院長に就任した当初、人手不足で実施できなくなっていた「夜間救急」は三重大学などの医学部生を中心とした研修生がいたから復活できたことだ。病院に研修にきていた医学部生たちは自発的に夜間救急サポートチーム「しまうま」を立ち上げた。彼らは医師や看護師ではないため医療行為はできないが、診察に来た患者の受付や介助ならできる。
チームの4代目リーダーで三重大学医学部5年生の伊藤真之介さんは説明する。
「しまうまは、『“志摩”の救急が“うま”く行くように活動する』の略です。病院への問い合わせに答えて、来院を促すことで救急車の出動件数を減らすことを目的としています」
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『プレジデントFamilyムック 医学部進学大百科 2020完全保存版』は本稿の「若手カリスマ医師インタビュー江角悠太『大赤字の市民病院をV字回復させた37歳院長』」の詳細記事のほか、「4人の医学部生の生活密着ルポ」「偏差値・倍率・試験科目すべて公開! 全国82医学部『最新データ』」「E判定から大逆転!勉強のお悩み相談室」などの記事を紹介している。ぜひ手に取ってご覧ください。