「中国は嫌いだが、つきあっていかねばならない」
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「中国は嫌いだが、つきあっていかねばならない」

そんな中国人と付き合うには、まず、あらかじめ細かな取り決めをした契約書を交わして、起こりうる悪い材料はすべて先に相手に言っておく。これが最初の注意点。日本人は悪い話を嫌がります。背景の似通った日本人どうしなら、アバウトな契約でもトラブルになりにくいけど、中国人も西洋人もビジネスは背景の違う人どうしで行うのが普通。細かく詰めるのは当然です。

中国人どうしが大声で罵り合うのを見たことがあるかもしれません。でも、すぐケロリと仲良くなるでしょう。西洋人もそうですが、「ケンカも礼儀のうち」が二番目の注意点。だから、温家宝首相や姜瑜(きょうゆ)報道官の剣幕を怖がる必要はないんです。上手にケンカができるようになれば、交渉はむしろ佳境に入ったといっていい。逆に遠慮して何も言わないと、押される一方ですよ。

最後に、「同じアジア人」という発想をやめること。「日本人も中国人も漢字を使っている」とか、「顔が似ている」というのは日本人側の思い込み。相手が「よく思ってくれている」と勘違いする男女関係と同じです(笑)。

本来、歴史問題など個人にとってどうでもいい話。議論に熱中しても、互いの立場の違い、得る情報の違いは解消できない。日本人は戦争が中国で行われたという事実だけは理解すべきだが、罪の意識を持つ必要はありません。

もちろん、肉親を日本軍に殺されたという中国人が、日本に対していい感情を持っていないことはわかりますよ。でも、そういう人は少数派というのが現実。昔、チンギスハンが中国人を大勢殺したからといって、今モンゴルを嫌っている中国人などいないのと同様、歴史の問題は時間が解決してくれます。

そもそも日本が嫌いな中国人ならば、一緒にビジネスをしようとも思わないでしょう。多少揉めることはあっても、妥協点は必ず見つかるはずです。

(構成=金井良寿 撮影=小原孝博)
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