ウェブサービスを提供するネット系企業のテレビCMが増えている。なぜネットでビジネスを行う企業が、ネットではなくテレビで広告を打つのか。公認会計士の鳥山慶氏は、「一見矛盾しているが、ビジネスモデルの構造を考えると説明がつく」という――。

存在感を増すデジタル企業

デジタル企業の存在感が増しています。米フォーブス社集計の2000年の米国企業の時価総額ランキングTop10にはデジタル企業はマイクロソフト1社のみだったものの、2019年のランキングでは、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブック、とウェブサービスを祖業とする、いわゆる“ネット系企業”が5社もランクインしています。

日本でも、楽天、メルカリ、ZOZOなどデジタルを主たる事業領域としている企業のサービスが日常生活に浸透しています。

これらデジタル企業は広告費に対する顧客流入率が定量的に算出できるデジタルなマーケティング手法を重視しています。