『アナと雪の女王』が画期的だったのは、そのような安易なストーリーを打ち破ったところだろう。

王子さまは、実は「偽り」の存在であった

王女であるアナは、確かに王子に会って、恋に落ちた。しかし、その王子さまは、実は「偽り」の存在であった。代わりに純朴な青年と恋をして、こちらのほうが「真実の愛」であるという物語仕立てになっていた。

一方、お姉さんのエルサのほうはもっと進んでいて、そもそも王子さまのような存在を必要としない。最初から、一人立ちできるような強いパワーを持っていて、むしろそのエネルギーをコントロールすることに悩んでいる。しかし、そんなエルサ自身の問題を解決するために、「白馬の王子」は必要ないのである。

『アナと雪の女王』のアナとエルサは、このように女性の生き方の2つの可能性を示している。そして、そのどちらも女性の生き方、私たち人間の共生の仕方を考えるうえでの「未来」だからこそ、多くの子どもたちを魅了したのであろう。

2人の性格が違うのもいい。ちょっと普通の女の子っぽい、恋愛もする、しかし男性に頼ってばかりではないアナ。あり余るパワーと存在感を持ち、自分を支えてくれる男性など必要ないエルサ。少し違う2人の女性像を描くことで、幅広い層にアピールすることに成功した。

続編の『アナと雪の女王2』でも、アナとエルサのこのような組み合わせの魅力は活かされているようだ。未来の私たちの生き方はどうなるのか。女性だけでなく男性も、ジェンダーに関係なく触れたほうがいい作品である。

映画に限らず、さまざまな商品やサービスを開発するときには、人々の生活の「未来」を思い浮かべるのがいい。

これまでのやり方に変わる新しい感性、ライフスタイルを提示する「提案型イノベーション」が世界を変える。映画の中のエルサの魔法のように鮮やかに、人々の少し先の「未来」を提案することが大ヒットにつながるのだ。

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(写真=時事)