「二度と来るな」で以降、連絡断絶

この電話の翌朝、R伯母から電話がありました。R伯母は、「水道工事の残額、30万円は年金が入る2カ月後にあなたに払います。それで、うちには、もう二度と来なくていいから」と言うのです。私も起きたばっかりで、「ああ、そうなの。わかった」とか、適当な返事しかできませんでした。

というわけで、めでたく、母方の実家から出入り禁止となったのです。はっはっは。いや、全然、めでたくないし、笑いごとでもありません。しかも、水道管工事を善意で手配して43万円払って、で、実家から出入り禁止。いやはや。これが2019年10月中旬の話です。

それまでは週1回か2回は、R伯母かE伯母からあった電話がピタッと止まりました。年賀状も昨年までは二人から連名で送られていたのですが、今年はそれもなし。実家に出入りしているケアマネージャーさんに、これこれこういう事情で、と話すと、相当、怒り心頭の様子。なお、除雪は福祉除雪を手配したとのこと。

知人である福祉の専門家に事情を話して相談したところ、「こうなった以上は実子でもないのだから、石渡さんは下手に寄らないほうがいいですね」と言われました。そのため、その後、実家がどうなっているかは不明です。

実子ではないだけ、もどかしい

おじ・おばと甥・姪の介護、という話、私もいろいろ探しましたが、あまり参考になる文献が見つかりませんでした。実子でない以上、法的には扶養義務がないわけで、放置すればいい、とも言えます。しかし、そう簡単に割り切れるものでもありません。

この話を、フェイスブックで愚痴交じりに書いたところ、プレジデントオンラインの編集部から「記事にしませんか」という依頼を受けました。身内のトラブルを記事にするのは問題があるような気もします。それに、E伯母本人はまだ認知症についてわかっていません(認めない、と言うほうが正確ですが)。

2人はネットをせず、スマホも所持していませんが、記事にすればどこかで伝え聞く可能性はあるでしょう。そうなれば、大きなショックを受けるかもしれません。

それでも、私は記事とすることにしました。

R伯母・E伯母が記事を読んだ結果、冷静に考え直してくれる可能性はあります。反対に余計に怒ったところで、「実家の出入り禁止」という状態が変わるわけでもありません。しかも、おじ・おばと甥・姪の介護については、参考になる記事がほとんどありません。また、「老人ひきこもり」も広く知られるべき事象だと思いました。