ストレスの原因がわかったら、解決方法を考えましょう。掃除や食事の後片付けを手伝うなど、本人の負担を軽くするための具体的な手立てを考えます。できれば子供も巻き込み、協力を得ましょう。

原因が夫自身という場合も、愚痴を含め、話を聞いたうえで具体的に何ができるか話し合いましょう。話を聞く時間を持つだけで関係も変わってきます。

反対に、夫にうつの疑いが出てきた場合も、対応方法は同じです。職場では気を張っているため、気づかれないことが多いので、家族が予兆に気づくことが大切です。そして、会社と協力しながら治療を進めてください。

うつの疑いがある場合は、早めに病院に行くことをお勧めします。早期に医者の診察を受けることで、早く治る可能性も高まります。だいたい、症状が2週間以上続いているかどうかが目安です。それ以上続いている場合は、自然に治る可能性は低くなります。

薬を飲めば症状が楽になりますが、それだけでは治りきらない人もいます。周りの人の手助けが大切です。家族のうつに気づいたときは、次の3点に気をつけて接するようにしてください。

まず、励ましたり、無理に気分転換を勧めたりしないこと。外に出て人がたくさんいる場所に行くことはかえって精神的な負担になります。ひきこもりがちになることがあっても見守ってあげることです。2点目は、大きな決断はなるべく避けるよう促すこと。引っ越しや退職など、環境を大きく変えたがる人も多いですが、後悔することも多いので、大きな決断は後に回すほうがよいでしょう。3点目は、できるだけ普通に接し、腫れ物に触るような対応をしないことです。本人は、周りに迷惑をかけているように感じ、余計に負担を感じてしまいます。

(大井明子=構成 小川 聡=撮影)