セックスの予定をあらかじめ入れておくのも手だ

決まった相手がいるなら、あなた一人で理想的な条件を整えるのは無理でしょう。パートナーを巻きこみ、あなたをその気にさせるもの、必要なものが何なのかを彼または彼女に伝えることです。

停滞期に入っているカップルの場合、セックスセラピストに相談すると、しばらくのあいだセックスを完全にやめてみようとすすめられることがあります。

また、ガイドラインを設定することを提案する場合もあるでしょう――たとえばセックスをする日時を決めて、ほかの予定を入れないようにしてみてと言われます。なんだか少しもセクシーじゃないように聞こえるけれど、実際には理にかなったアドバイスです。

いついつまでセックスはしないと決めることによって、セックスのことを考えずにすむ時間を持つことができるからです。するとやがて性欲が自然に戻ってきます。何かをほしがれと強制することはできません。性欲を感じるべきだという意識も、ブレーキの一つになるのです。

欲求は人との関係性の中にある

エレン・ストッケン・ダール、ニナ・ブロックマン著、池田真紀子訳『からだと性の教科書』(NHK出版)

セックスをしない時期を設けるといっても、パートナーとの親密な時間を持つことまでやめる必要はありません。実際には、多くのカップルが反対の結果を経験します。何かをしなくてはというプレッシャーを感じることなく、ただ寄り添ったり、触れ合ったりするゆとりが生まれるおかげです。自分に優しくなりましょう。寛大になりましょう。もしもパートナーがそれを大切なことと思ってくれないとしたら、問題の本当の根っこはそこにあるのかもしれません。

100年の経験を持つドクター・ザスマンは、とても大切なことを指摘しています。性的欲求は真空では生まれません。欲求は人との関係にきっちりと編みこまれています。そして人との関係には、自分自身との関係も含まれています。即効薬はないとしても、わたしたちのほぼ全員が性欲を感じる能力を備えているのです。

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