性欲がわくこと/わかないことのリストを作る

ブレーキにかかるこの大きな力を取り除くには、もっと強力な“進め”のシグナル――たとえば愛や快楽のような――を脳に送りこまなくてはいけません。報酬は努力より大きくなくてはなりません。たとえば相手に夢中になっているときなら、放っておいてもそうなることもあるでしょう。

しかし、自然にそうならないのなら、“進め”のシグナルが優位に立てるようお膳立てし、“止まれ”のシグナルをできるかぎり弱めなくてはなりません。とてもぼんやりした話に聞こえるかもしれないけれど、実際にはミステリーでも何でもない話です。

初めの一歩は、性欲とは自然に湧いてくるものではないし、生まれつきのものであって変更はできない性質というわけでもないという事実を認め、受け入れること。その次に、自分にとって性欲のスイッチをオンにするもの、オフにするものが何であるかを考えます。ナゴスキーの言うとおり、まずはリストを作るところからやってみましょう。

▼その気をなくさせるものは?
眠ろうとしていたのにセックスをすること――睡眠不足で翌日に差し支えるのではと心配になるから。落ちこんでいるときや悲しいとき。その気がないときパートナーから誘われること――またしても彼/彼女を拒まなくてはならないから。二人の関係の将来が見えないこと。焼きモチ。次にどうするか予想がついてしまう、決まりきったセックス。パートナーに自信を持たせるために、わたしもいかなくちゃいけないというプレッシャー。ストレス。やらなくてはならなかったのに昼間できなかったことを思い出して心配になったとき。自分が醜く思えるとき。シャワーを浴びていなくて、不潔に思えるとき。ベッドで携帯電話をチェックしているとき。

リストができたら「条件」をそろえていく

▼その気にさせるものは?
時間がたっぷりあって、急がなくていいとわかっているとき。おしゃべりなしの短時間のセックス。オーガズムの連想。自分の体に自信が持てるとき。官能的な本や映画、ポルノ映画の鑑賞後、エクササイズのあとのセックス――エンドルフィンが満ちあふれて、まだ体が火照っているから。白昼にするセックス。何も見えない漆黒の闇。洗濯したてのシーツ。愛されているという実感。褒め言葉。新しい環境。安心できる環境。自信にあふれた彼/彼女。自信に満ちた自分。背中をくすぐられたとき。ベッドで新しい何かを試すこと。わたしがベッドでしたいことがパートナーの理想と一致しているとき。

さて、リストが書き上がったところからが勝負です。バランスが“進め”にかたむくように状況を整えなくてはいけません。つまり、できるかぎりたくさんのブレーキを取り除き、同時にできるだけ多くのスイッチがオンになるような条件をそろえていきます。