WHOの報告によると「不妊に悩む夫婦のうち、男性のみに原因があるケースが24%、男女ともに原因があるケースが24%」。不妊カップルの約半数は、男性にも原因があるということがわかります。今回のテーマは「男性不妊」。妊活や不妊治療に取り組む夫婦をサポートする事業を展開する、吉川雄司さんとともに「男性不妊」のリアルをひもといていきましょう。
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100〜200人に1人は無精子症

男性不妊の主な原因の一つは、精子を正常につくることができない造精機能障害です。また、勃起障害や射精障害が原因で妊娠に至らず悩む男性も多くいます。

「精液のなかに精子が一匹もいない状態を、無精子症といいます。無精子症は100〜200人に1人と言われています。決して珍しい症状ではない、と思いませんか? また、精子の数が少ない乏精子症、精子の数は正常だけれど運動率が悪い精子無力症と診断される人もいます」

ただ、精子の状態は日によって大きく異なります。そのため、乏精子症や精子無力症に悩む人がどのくらいいるかは、正確なデータをとることが難しいそう。

「座りっぱなしの時間が長いこと、ストレス、不規則な食生活、お酒の飲み過ぎ、いろいろな生活習慣が重なって、精液の所見が悪くなることもあります。精液検査で自分の精子の健康状態を把握しつつ、精子にいい生活を心がけることが大切ですね」