一般男性の15%に不妊のリスク要因がある

自覚症状はないものの、精子の健康状態を悪化させる症状もあります。

「精巣にこぶがある、精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の症状がある男性は、約15%と言われます。血流を悪化させたり、精巣の温度が上がってしまうことがあるため、不妊の原因となります。精索静脈瘤があるからといって精子が不健康とは限りませんが、10人に1人か2人はリスク要因を持っている、ということです」

精索静脈瘤の有無は、泌尿器科での検査でチェックできます。

妊活をスタートするときには男女いっしょに検査を受けることが推奨されているのは、精子に問題を抱える人が決して珍しくないから。男性側の原因を見逃したために、時間や治療費用をムダにしてしまうケースも少なくないのです。

排卵日セックスが妊活男子のメンタルを直撃!

勃起障害や射精障害も、不妊の原因となります。性行為のときに勃起ができなかったり、継続しない勃起障害は、プレッシャーやストレスなど精神的な問題が影響すると言われています。

妊活中のカップルでは「妻だけED」や、排卵日周辺のタイミングのときだけ性交が難しい、という悩みも。

「男性なら多くの人に経験があると思いますが、メンタルに左右されるところもすごく大きい。『今日排卵日だからよろしくね』と言われることがプレッシャーとなり、セックスが苦痛になってしまう、ということもありえます。

セックスは、夫婦のコミュニケーションとしての側面と、子どもをつくるための側面がありますよね。子どもを作ろうとするとうまくいかないのであれば、人工授精など、医療の助けを借りるのもいいと思います。だって、人工授精なんて、そのプロセスは自然妊娠とほとんど変わりませんから」

妊活をスタートしてから、セックスが子作りのための義務でしかなくなってしまった、というエピソードは、多くの妊活カップルから聞かれるもの。「2人の赤ちゃんが欲しい」という望みのために、かえって夫婦関係がギスギスしてしまうなんて、こんな悲しいことはありません。

もし精神的なプレッシャーから勃起障害、射精障害に陥っているなら、夫婦のコミュニケーションと子作りを切り分けるという視点を持つことで、お互いにストレスから解放されることもありそうです。