日本人の読解力は、00年8位→06年15位→12年4位→18年15位

議論の前提として、まず、今回のPISA調査の結果を概観しておこう。

学力の国際比較(2018年)

図表1には、調査参加国の読解力の点数と順位を上位40位まで掲げた。順位については、国名の下には、調査がはじまった2000年からの3年ごとの値を下から上に並べた。

トップ・グループを見ると中国(北京など4地域のみ)、シンガポール、マカオ、香港といった中華系の国が多くなっている。こうした地域に頭のよい子が多いことになるから欧米人の抱く中国脅威説、あるいは東アジア脅威説に根拠を与えるかたちになっている。

日本の順位は8位から出発し、06年に15位までに低下したが、その後、12年に4位までに回復した。しかし、その後、前回15年、今回18年と8位、15位と低下したことが分かる。日本以外の国別の順位の変化を見ると前回から今回にかけて、ドイツ、フランスは日本と同様に順位が下がり、英国と米国は、逆に順位が大きく上昇していることが分かる。後段で詳述する要因説とも関連するのでこうした国別の順位の変化を少し頭の片隅に留めておいてほしい。