伸びる男のタイプが確実に変化しています

<strong>銀座クラブ ふたご屋 ママ ますい志保</strong>●北鎌倉生まれ。1992年、明治大学仏文科卒。94年、会員制クラブ・ふたご屋を開店。執筆活動も行っており、著書『いい男の条件』(青春出版社)が、30万部を超えるベストセラーに。
銀座クラブ ふたご屋 ママ ますい志保●北鎌倉生まれ。1992年、明治大学仏文科卒。94年、会員制クラブ・ふたご屋を開店。執筆活動も行っており、著書『いい男の条件』(青春出版社)が、30万部を超えるベストセラーに。

最近、銀座にいらっしゃるお客様を拝見していて、成功する男性のタイプが変わってきていると実感しています。少し前までは、いわゆる「俺についてこい」タイプというか、強力なリーダーシップを発揮する人が出世していたものでした。ところが今は、周囲の共感を得ながら進むタイプのほうが成功を収める傾向にあるようですね。

成功する人は、必ずいいブレーンを持っています。人の意見にきちんと耳を傾けられるから、上からは引き上げられ、下からは押し上げてもらえる。いい男は人こそが財産だということをわかっています。義理人情に厚く謙虚で誠実だからこそ、ますますいい人が寄ってくるのでしょう。

今、いわゆる「つなぐ」ことができる男は本当に強いと思うのです。異なった職種の人どうしをつないだり、他部署の人を巻き込んだりすることで、より大きな仕事ができるからです。

誰が何と言おうと自分の道を突き進む人や、目的のためには争いも辞さないタイプが成功すると信じられていたのは組織がピラミッド型だったころのお話。自分が中心となって人々を回していく現代の「コマ型組織」では、いかに周囲の人々を巻き込めるかが勝負なのです。伸びる男は、むやみに敵をつくりませんし、敵だった人たちでさえ味方につけてしまうものです。

最近どうも、若いころから囲碁をなさっている方に成功者が多いように思います。囲碁というのは、いかにうまく石をつないで領地を広くするかが勝負でしょう。わずかな石を取った、取られたと騒ぐのではなく大局で流れが見えている人が勝つ。仕事人生もこれと同じことがいえるのではないかしら。

いい意味で妥協することも必要でしょう。ビジネスを成功させるには、ときには意見の違う相手にも歩み寄れる部分は歩み寄って着地させなければなりません。乱暴に急降下するのではなく、いろいろな人の意見を聞き、誰のプライドも傷つけず、フワッと着地、いわばソフトランディングが上手であれば最高でしょうね。