【三浦】この前、今年就職したような女の子3人と合コンしたら、いえ、仕事で合コンしたんですけどね(笑)、皆、勝間さんの本は、もう『インディでいこう!(*3)』からずっと読んでるみたいですよ。

【勝間】あの本は特に働く女性で、長く仕事をしていきたいという人にはすごく浸透率が高いので。男性だと責められてる気になるので、読むと心が痛いと(笑)。

【三浦】では、“もっと楽して儲けよう”という読者は男性が多いの?

【勝間】男性ですね、圧倒的に。

【三浦】やっぱりねえ。一方、女の子はもう男には頼れないというのがわかっちゃったから、インディ発想で読んでいるんだよね。

【勝間】そうなんですよね。

【三浦】昨年、キャバクラ嬢の研究書(*4)を出したんですが(笑)、8年前に渋谷のギャル調査したときは、9割以上が専業主婦志向だった。ところが、今はもう3~4割くらいしかいないですね。もう男には頼れないとわかっていて、キャバ嬢でお金を貯めて老後の資金にするとか、いつか店を開くとか、それくらい意識が変わっちゃった。そういう子は株の本も読むし、勝間さんの本も読んでいるんじゃないかと思うけど、自分で稼ぐ能力を身につけなければと真剣に考えている。

周りにいる男たちを見ると、結婚しても、とてもまともな暮らしは期待できそうもないから、自分で稼がなきゃとか、何か小さい会社を起こして社長になろうという子がむしろ増えてきてますよね。

【勝間】本当に専業主婦はあまりにもリスクが高くて、今は選択肢として厳しいですからね。

【三浦】ええ。絶対75歳まで生きて、毎年3000万円稼げる男を見つければ、専業主婦でもいいけど(笑)。

【勝間】だから、皆、何かにすがるんですよ。それは男性も同じで、すがるときに出合ったのが私の本であり、神田昌典さんや本田直之(*5)さんの本であったり。そこに生き残り方のヒントが書いてあるんじゃないかと。

(※すべて雑誌掲載当時)

*1:神田昌典(かんだ・まさのり) …1999年刊『あなたの会社が90日で儲かる!』(フォレスト出版)以降、ビジネス書のヒット作を出し続ける作家、経営コンサルタント。87年、上智大学外国語学部英語学科卒。92年、ペンシルバニア大学・ウォートンスクールMBA取得。オーディオセミナーは、月一回、著名成功者への神田氏によるインタビューを収録したもの(現在はCDで頒布)。http://www.kandamasanori.com/t-audio.php

*2:『これからの10年 団塊ジュニア1400万人がコア市場になる!』(2002年、中経出版)…団塊ジュニア世代の実態と、この世代向けの商品開発の方法を三浦氏が解説した本。

*3:『インディでいこう!』(2006年、ディスカヴァー・トゥエンティワン)…精神的にも、経済的にも依存しない生き方を提唱した勝間氏の著書。08年に『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』と改題し同社より再刊。

*4:『女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?』(三浦氏と柳内圭雄氏の共著。2008年、光文社新書)…15~22歳女性の20%がキャバクラ嬢志望という衝撃のデータを子細に分析した本。

*5:本田直之(ほんだ・なおゆき)…レバレッジコンサルティング社代表。明治大学商学部卒。国際経営大学院・サンダーバードMBA。シティバンク、バックスグループなどを経て現職。2006年刊『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新報社)から続く一連の著作で、少ない労力で大きな成果を上げる=レバレッジ(梃子)という考え方を広めた。

(構成=歌代幸子 脚注=編集部 撮影=佐藤 類)