問題その3「チャージできるのはスマホ決済のみ?」

総務省の制作したマイナポイントのページを見ると、ポイントが付与されるのは「民間キャッシュレス決済手段」と書かれている。例として「○○ペイ等」と書かれているが、そこにはクレジットカードの対応記載が一切書かれていない。

おそらくクレジットカードにはお金をチャージすることができないため、現時点では構想から外れているのではないかと思われる。しかし、スマホ決済のみの対応にした場合、クレジットカード会社から不平不満が出てくることが想定されるので、なんらかの対応策が講じられるはずである。

他にも、マイナポイントは多くの問題を抱えているが、2020年9月1日からスタートすることは決定済。当初、10月1日から始める予定だったが、それを前倒ししてのスタートなので、よほどのことがない限り延期はないと思われる。

ブラックフライデーで一気に使っちゃうかもしれない

手続きが面倒だからマイナポイントを利用する人は少ないという見通しもあるが、タダで5000円がもらえるならば、多少の困難は乗り越えて、利用者が増えていくと思われる。また、「1人につき5000円」と考えると、家族4人であれば、一家でまとめて2万円の支給となる。その金額になれば、少しネットに詳しい家族の一人が、頑張って家族分のマイナポイントの発行手続きをしてくれるかもしれない。このように、誰かネットに詳しい人の力を借りながら、周囲の人を巻き込んでマイナポイントは普及していくことが予想される。

今後、地方自治体でもマイナポイントに関する相談窓口が設けられる予定なので、発行までの難しさは少しずつ解決されていくのではないか。

消費に与える影響を考えると、「じわじわとマイナポイントが使われ始める」というのが予想である。マイナンバーカードの発行にはタイムラグがあるため、9月1日から一斉にマイナポイントが使われ始めるとは考えにくい。また、7月と8月には東京オリンピックが開催されるため、マイナポイントの発行を後回しにする人が多いので、消費は秋から冬へとズレ込むことが予想される。

おそらく、10月から11月にかけてぼちぼちと使われ始めて、11月下旬のブラックフライデーあたりにマイナポイントを使う人が急増するのではないか。キャッシュレス決済はセール販売と相性がよく、気前よく2万5000円を使ってしまう人も多いはず。2019年もブラックフライデーの商戦は非常に盛り上がったこともあり、小売業者は2020年のブラックフライデーに向けて、福袋やセール販売などを準備しておいたほうがいいだろう。