事務所とのトラブル、「日本へ帰れ」などの罵声も

だが『文春』によれば、この人気絶頂の最中に、事務所とのトラブルが勃発していたというのである。

契約を巡って、「あまりにも事務所の取り分が多い」と、一部のメンバーが対立、双方の溝は埋まらないまま、2016年にKARAは事実上の解散に追い込まれてしまうのだ。

逆風はそれだけではなかった。日本で大ブレイクしたため、韓国からの誹謗ひぼう中傷に悩んでいたという。

「韓国のネット上で『親日家!』『日本へ帰れ!』との罵声が、彼女たちに浴びせられたのです」(在韓ジャーナリスト)

ク・ハラは別の事務所に移り、そこから、その子会社に所属するなどしながら細々と活動を続けていた。

昨年、交際相手だったヘアデザイナーとの間で大きなトラブルが起きてしまった。

「別れ話のもつれでお互いの暴力が大きく報じられました。その後、リベンジポルノの存在まで浮上し、法廷闘争に発展。この元彼氏は傷害、脅迫などで懲役一年六ヵ月、執行猶予3年の判決を受けましたが、裁判は今も続いています」(同)

リベンジポルノには、SEX動画もあるといわれ、韓国では「ク・ハラ 動画」というキーワードで大変な数の検索があったそうだが、実際には、そうしたものは出ていなかったようだ。

だが、アイドルにとって、そうしたうわさだけでも致命傷になる。

友人に「韓国には帰りたくない」とらしていた

今年1月、所属事務所との契約が切れたが、事務所の担当者は文春に対して、「我々が再契約を望まなかった。最大の理由はイメージの問題だ」と答えている。

追い詰められた彼女に、口では言えないような誹謗中傷がインスタグラムにあふれた。

5月26日、ク・ハラは自殺を図った。その時は一命をとりとめ、病院で1、2週間治療を受け、うつ病と診断され、心理治療も受けたそうだ。

その後、韓国芸能界とつながりの強い、日本の「尾木プロダクション」と6月に契約し、活動拠点を日本に移した。その時期、友人に彼女は、「韓国には戻りたくない」と洩らしていたという。

復帰後は順調のようだった。11月13日に新譜を発表して、翌日から全国4カ所のコンサートツアーを成功させた。来年1月に出す予定の写真集の撮影も終えていたという。

そんな彼女が、再び自殺を考えるまでに追い込まれるのは、所用で一時帰国した時のことだった。

トリガーになったのは、彼女の親友でアイドルグループf(x)の元メンバー・ソルリが自殺したことではないかといわれている。

ク・ハラが自死を選んだのは、ソルリの死から約1カ月後だった。日本に拠点を移した彼女への風当たりが強かったであろうことは、容易に想像できる。