赤字続きの「落ちこぼれ集団」だった武蔵野を、社長として立て直した小山昇氏のもとには、いまもコンサルティングを希望する中小企業が列をなしている。中小企業を潰さないためにはなにが重要なのか。近著『会社を絶対に潰さない社長の「金言」100』(プレジデント社)より、そのノウハウをご紹介しよう。第2回は「銀行との付き合い」について——。(第2回/全3回)
金言24:銀行はビジネスパートナーと心得よ
銀行は「敵」でも「味方」でもない
「銀行は敵である」と思っている社長がいますが、私はそうは思いません。銀行を「敵」だと考えて喧嘩を売り、支店長から嫌われたら融資は受けられません。融資が受けられなければ、規模の拡大はできず、会社は伸びません。
銀行の歴史は4000年以上あります。敵に回したところで、向こうのほうが一枚も二枚も上手。中小企業の社長が、勝てるわけがありません。だから社長は、理不尽な貸し渋りや貸しはがしにあっても困らないように、対策を練っておくべきです。銀行に腹を立てるのは筋違い。銀行がお金を貸してくれないとしたら、借りられないようにした社長の責任です。
目先ばかり見て、自社を良くしようと思っていない社長に、銀行はお金を貸しません。
銀行は「敵」ではありません。かといって、私は「銀行=味方」と楽観視もしていません。味方だと思って銀行に頼ってばかりでは、経営が甘くなります。
銀行は、敵でも味方でもなく、「ビジネスパートナー」と私は考えています。銀行の支援なくして、経営は成り立ちません。銀行もまた、融資先の成長なくして収益は上がりません。銀行と中小企業は、「win-win(ウィン・ウィン)」の関係を築くことが大切です。