金言27:担保の価値は銀行によって変わる

都銀よりも、地銀や信金のほうが担保価値は高くなる

土地と建物を合わせて1億5000万円(土地1億円、建物5000万円)で購入したとします。このとき、建物の担保価値は0円です。なぜなら銀行は、建物に減価償却費としての価値は認めても、転売するときの価値としては認めていないからです。

土地建物を購入した社長は、「建物にも5000万円の価値がある」と考えますが、それはあくまで会社の都合であって、銀行はそう思っていません。一方、土地は時価総額で転売できるので、路線価格などから担保価値を計算し、その金額に応じて貸出しをしてくれます。

このとき気をつけなくてはならないのは、担保価値が銀行によって変わること。多くの社長は、このことを知りません。1億円の土地の担保価値は、平均すると、都銀で7000万円(0.7倍)、地銀は1億5000万円(1.5倍)。信金なら2億円(2倍)まで貸してくれます。ただし、貸してくれる額が増える分、金利は当然、高くなります。

さて、金利で選ぶべきか、額で選ぶべきか。

中小零細企業が、都銀に軸足をおいて経営をするのは、担保価値から考えても得策ではありません。ですから、金利は高くても、額が借りられる銀行を優先する。これが正解です。

金言28:銀行訪問には幹部社員を同行させよ

職責が下の人ほど、社員は信用する

銀行訪問は、「社長と幹部社員」がセットで行うのが基本です。私は2001年度に、役員と経理部長に銀行訪問を任せました。しかし、その結果、「わが社の情報が正しく銀行に伝わらない」「銀行の情報が正しく社長に伝わらない」「社長がいるといないとでは、銀行の対応が違う」ことがわかりました。

それ以降は、私自身が訪問しています。社長が「耳の痛い情報」を正しく理解しないと、組織の改革が遅れてしまうからです。

ただし、社長ひとりで出向くのではなく、幹部社員をひとり連れていきます。幹部社員が銀行交渉に同席すると、組織改革が進みます。というのも、銀行交渉の内容を「社長が社員に報告したとき」と、「同席した幹部が社員に報告したとき」では、社員は間違いなく幹部の言うことを信じます。職責が下位の人の発言ほど社員は信用する。それが社員の心理です。

会社が成長しているときに、私が「全行から融資を断られた」と言っても社員は信じませんが、幹部社員が「銀行がお金を貸してくれない」と報告すると、社員に危機意識が芽生えます。その結果、一気呵成かせいに組織改革を進めることができます。