良くも悪くも自分が思っていることを伝えるだけ

僕のサッカー解説の「名フレーズ集」がネットに出回っているみたいで。自分では言ったことをあまり覚えていないんですが、「ふざけたロスタイム」はよく覚えています。

解説者 松木安太郎氏

2011年アジアカップグループステージ第2戦、本田圭佑のPKで奪った勝ち越し点をなんとか守り抜いたのにロスタイムが6分もある。普通ロスタイムなんて3分程度。ありえないと思って、自然と出た言葉です。

基本的に解説の仕事は、ピッチ上での試合内容がすべてなんです。今ここで何が起きているかをわかりやすく伝えるのが自分の役割だと思っています。もちろん、基本的な情報は試合前に確認しますが、余計なことを考えず、良くも悪くも自分が思っていることを伝えるだけなんです。

ただ、意識していることはあります。僕は「応援団」でいいと思っています。専門用語はあまり使わず、初めてサッカーをご覧になる方とも一緒になって熱く盛り上がる。僕の場合、日本代表を解説することが多いので主語は日本代表でいいわけです。日本代表が主語なら、ひいきは大前提。じゃないと視聴者の方も面白くない。いつでも観ている方ファーストです。