「支持しない人は敵で、支持する人は味方」の発想

毎日新聞の社説は安倍首相の強引な手法と、おごりや緩みを指摘する。

「確かに長期政権は安定的に政策に取り組める利点がある。ただし首相は国論を二分した安全保障法制などを強引な手法で実現させたものの、人口減少問題といった中長期的課題を重視してきたとは言えない」
「逆におごりや緩みが一段と目立ってきているのが実情だ。公金の私物化が指摘される『桜を見る会』が象徴的である」
「首相は自分を支持しない人は敵と見なして批判に耳を傾けず、支持する人は味方扱いで優遇してきたのではないか。公正さを忘れた今回の問題はそれが如実に表れている。衆参予算委員会の場でごまかすことなく丁寧に説明しないと次に進めない」

「支持しない人は敵で、支持する人は味方」とはまさに安倍政治の手法をよく表している。これがまかり通るのも「安倍1強」があるからで、安倍首相には深い反省を求める。

「安倍1強」はやがて政治を閉塞させていく

最後に毎日社説は指摘する。

「首相の自民党総裁としての任期は再来年秋までだ。4選は考えていないと語っており、残る任期で憲法改正を実現して政治的遺産を残したいと考えているのかもしれない」
「だが政治への信頼回復が先だ。そして自民党も『ポスト安倍』を考え始める時だ。『他にいない』という1強状況は、むしろ政治の閉塞を招いている」

北朝鮮のような一党独裁国家は、国際社会から批判され、経済的にも衰退し、最後は閉塞状態に陥る。一国の内政も同じだ。「安倍1強」はやがて政治を閉塞させていく。安倍首相や自民党に早く、そこに気付いてもらいたい。