ずっと高学歴の“勝ち組”できた親は、実は転落する不安をずっと抱えたまま生きている場合も少なくありません。それゆえ自分の恐怖心を子供に投影し、「俺のようになれ」と追い込みます。逆に「学歴がないから苦労してきた」と思い込んでいる親は、学歴に過大な妄想を抱き、あらゆる犠牲を払ってでも子供に手に入れさせようとします。いずれのタイプも、子供と自分を同一化してしまっているのです。

嫉妬じたいは自然な感情ですから仕方ありません。嫉妬を感じたとしても、いったん冷静になれば、他人の子供と自分の子供を比べたところで、何もいいことがないことがわかるはずなのに、自分を見失い、感情的な反応が先に立ってしまう。

気を使いすぎても、ぎくしゃくする

いずれにせよ、同僚に一方的に妬まれたら、どう対処すればいいのでしょうか。基本的には、見て見ぬふりをして、嵐が過ぎ去るのを待つこと。それでもその同僚の前で、ほかの人から「合格おめでとう」などと話を振られることもあるでしょう。そんなときは普通に「ありがとう」と受けとめ、あとはさりげなく話題を変えるのが精一杯でしょう。こちらがあまり気を使いすぎてもかえってぎくしゃくしてしまいます。

まったく悪気なく、自分でも知らぬ間に傷に触れてしまっている場合もあるので、気をつけましょう。子供が合格した喜びをSNSに何度も繰り返しアップしたり、職場で受験の話題が出た際に、延々と自分の子供の話をしてしまったり……。

もし受験の話題が出ることによって傷つく人が周囲にいるのであれば、場合によっては喜びをあまり開けっぴろげに表現しないように気をつけることもデリカシーであり、ひいては自己防衛にも繋がると思います。

それでもまだ嫉妬がおさまらず、パワハラや不当な評価といった実害に繋がる場合は、一対一の人間関係を超えた問題なので、社内のしかるべき部署に訴えるなどビジネスライクに対処するしかないでしょう。

【対策】基本的には、見て見ぬふりをする

(構成=小澤啓司)
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