ところが、週刊誌において、公用車で別荘に行っていたと報じられるや

「別荘ではなくて自宅」
「公用車を乗り換えたのはコンビニではなく、自宅においてだった。ここは記憶違いだった」
「個人の車が出払っていて、自宅でしか乗り換えられなかった」
「個人の車の中から町の様子を見て、そのまま知事公舎に戻った」
「運転日報の記載は間違いである」

と説明し直したが、有権者はこんな説明で「ハイそうですか」と納得するほど馬鹿じゃない。

(略)

テレビにはこちらの腹の内や動揺も映ってしまう

トップは苦しい状況に追い込まれたときにこそ、いかに分かり易く、正直に説明するかで、その後の進退が決まると言っていい。

ごまかそうと思っても、これだけ報道の自由が確立され、厳しい取材が行われる日本社会において、メディアを騙し続けることはほとんど不可能だ。しかも、テレビカメラの前で説明を求められるような立場の人であれば、なおさらだ。

この点で、森田さんの説明・釈明は完全に不合格点だ。

テレビって怖いんだよ。こっちの腹の内や動揺を全てありのままに視聴者に伝えてしまう。どれだけ平静を装っていても、バレちゃうんだよね。

(略)

今回のメルマガでは、僕が森田さんの立場で、同じようなことをやって追及を受けたら、どう対応していたのかを論じてみたいと思う。

(略)

現場の混乱を避けて視察はせず、避難勧告を発出した

災害対策本部の設置が遅れたことや、災害対策本部を設置した後に外出したことに関しても、僕が森田さんの立場なら、もっと堂々と説明するね。

(略)

2013年9月、僕が大阪市長のときに、台風18号の影響で大阪府内の大河川である大和川が氾濫するかどうかが危ぶまれた。この時は、大阪維新の会の天敵である当時の竹山修身堺市長(政治とカネの問題で辞職)の任期満了選挙が近づいているときだった。

僕は自宅待機して、まずは役所内の危機管理監や担当部局の対応に委ねた。

竹山さんはその時、大和川の堺市側の堤防に出向き、川の様子を見に行ったという。僕は大和川の大阪市側の堤防には出向かなかった。出向かなくても川の様子は逐一報告が入ってくるし、まずは危機管理監で対応すべきだと考えたからだ。