企業の信用度が著しく低下し、もはや土砂降りの中の韓国経済

いま韓国は、つるべ落としのように経済の悪化が進んでいます。

韓国は外需依存の国で、韓国GDPの18%、輸出の21%はサムスングループが占めています。韓国はサムスンで食べている国といっても過言ではないのです。ですから、サムスンの業績を見れば、韓国経済が今後どうなるか、簡単に予測が立てられます。

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そのサムスンの業績悪化が止まりません。

そもそも文政権は、サムスンなどの財閥企業を「庶民の敵」とみなして解体政策を進めてきました。しかし、米中貿易戦争が起こり、輸出への依存が高い韓国経済が打撃を受けると、文大統領はサムスンに対して手のひらを返したように、「政府も積極的に助ける」と言い出しました。

最近ムーディーズが出した報告書では、「韓国の民間企業24社のうち13社についてネガティブな見通しまたは格下げを検討している」としていますが、そこにはポジティブな見通しと評価する会社はひとつもありませんでした。また、報告書では、今後12カ月間で韓国企業の信用力が一段と低下するとしています。

韓国政府が国民をクレジットカードの“借金漬け”にした

韓国経済の頭上に、いかに土砂降りの激しい雨が降っているか。

加えて、韓国が抱える家計債務の問題に対する懸念もあります。韓国の家計債務は現在、GDP比で97%と世界有数の水準です。

どうしてそんなに高いのか、それは政府がそのように政策誘導したからです。韓国では、1997年にIMF管理に陥って以来、それまで普及していなかったクレジットカードを広く普及させ、税優遇措置で「家計の債務拡大による個人消費の拡大」を推し進めました。どういう税優遇かといえば、クレジットカードによる消費を所得控除するというものです。

このため韓国では個人消費額におけるクレジットカード決済額は80%に及び、世界に冠たるキャッシュレス国家になったのです。

しかし、すでに自営業者の借金の延滞率が急上昇しており、景気の減速に伴って返済不能が急増すると見られています。