LINEの新サービス「OpenChat」(オープンチャット)が、8月19日のサービス開始から約2日で大幅な利用制限に追い込まれた。なぜLINEは未成年が「出会い系」として使ってしまうようなサービスを作ったのか。ITジャーナリストの西田宗千佳が解説する——。
「友だち」でなくてもグループが作れる新機能
8月19日にLINEがスタートした新コミュニケーション機能「OpenChat」は、大きな混乱とともにスタートした。スタートと同時に「出会い系」「アダルト」などの未成年が利用すべきでないチャットルームが作られ、いきなり無秩序な状態になってしまったのだ。
ネットでのコミュニケーションサービスにおいて、未成年の保護は重要な課題。各社とも、未成年がトラブルに巻き込まれないよう、さまざまな施策をとってきた。だが、そうした対策には積極的だったはずのLINEが、いきなり、20年前に逆戻りしたような無秩序なサービスを作ってしまった。
LINEはなぜこのようなサービスを作ったのか? そして、どこに誤算があったかを考えてみたい。
LINEの「OpenChat」とは、LINEが持つ「グループトーク」機能を拡張したようなものだ。グループトークでは、LINEでの友だち同士がグループを作り、多人数で会話を楽しむことができる。
それに対してOpenChatは「オープン」という言葉が示すように、友だち同士でなくても、自分の素性を明かさなくても会話ができるチャットルーム(最大5000人まで参加可能)を、自由に作ることができる機能である。
自分の素性を明かさずに自由にチャットルームを作れるということは、そこに参加するのは「不特定多数でもいい」ということになる。誰もが検索した上で参加できるチャットルームを作ることもできるし、SNSなどを介して「誘う」こともできる。