「平日6時間以上」利用のネット依存(中毒)は高校生の何割か
OECD諸国の平均で、高校1年生がネットを使用している時間は、学校外、すなわち家庭で、平日が146分、週末が184分であり、2~3時間に及んでいる。スウェーデン、英国、チリ、ロシア、ブラジルなどでは平日でも3時間を超えている。
PISA調査の報告書ではネット1時間以下を「低利用者」、1~2時間を「中利用者」、2~6時間利用を「高利用者」、6時間以上を「極端利用者」と分類している。
6時間以上は「ネット依存(中毒)者」としたかったが、医学的見地のオーソライズが当面得られなかったので、「極端利用者(Extreme Internet users)」という用語に落ち着いたのであろう。この記事では平日学外6時間以上は「ネット依存(中毒)」とみなすことにする。
「家ではずっとスマホやPC」の日本の高校生は6.4%
1日24時間から、学校の授業の時間、家庭内での食事(朝食夕食)・入浴の時間、勉強の時間、睡眠の時間を引いた時間のうち、6時間以上を、スマホやPCを眺めることに費やしているのだから、相当なものだ。ほとんど「家ではずっと」状態ではないか。
この「ネット依存」の高校生の比率はOECD諸国平均で16.2%であり、調査対象国の中で最もこの比率が高いのはチリの19.5%であり、ブラジルの19.0%、英国の18.8%がこれに次いでいる。
地域的には先進国、途上国を問わずネット依存は全世界的に広がっている。ところが日本(6.4%)は、中国(4.0%)や韓国(1.9%)などと並んでネット依存の程度が世界の中では比較的低いことがわかった。韓国や中国などは日本以上にネット社会になっているのに、高校生の世界はまた別なのである。
この原因は、よくわかっていない。私見だが、儒教の影響下で紙に書かれた文書と比較してネット情報が一段低いものと評価されているからではないだろうか。また、「ネットばかりしていてはダメ」という先生や親の言うことに比較的こうした国の子どもは従う癖がついているかもしれない。