ネット依存の子と「低い生活満足度」や「低学力」との関連
ネット依存は何が問題なのであろうか。この点を探るため、「ネット利用時間と生活満足度」また「ネット利用時間と学力」との関係を示すデータを図表2に掲げた。
生活満足度は、おおむねネット利用時間が増えると低下する傾向が認められる。「科学」のテストの成績で見ると学力はネット利用1時間以下よりは1~2時間のほうが高いが、それよりネット利用が長くなると成績は落ち、特に6時間以上ではぐっと落ちる傾向が認められる。
以上の結果をさらに対象国47カ国に拡大して示した図を図表3に掲げた。ほとんどの国で同じ傾向があることが明確である。つまり、ネット依存の生徒は生活に満足しておらず、学力も相対的に低い。ネット依存生徒の生活満足度が際立って低いのはアイスランドであり、学力が際立って低いのは中国や台湾である。
日本は、ネット依存生徒の生活満足度・学力の両方が低い状態にあることがグラフから読み取れる。
幸せでないからネットに走るのか、それともネット依存が不幸を招くのか。また、学力が低いからネットに走るのか、それともネット依存が低学力を招くのか、については、さらに、突っ込んだ心理学的、疫学的調査が必要であろう。私には両面があるように思える。