「タクシー」しか走っていない日本は遅れている

創業者はこのふたつの言葉もよく使う。

「Mobility for All」は、みんなのための乗り物という意味で、誰でも簡単に使えるシステムを標榜している。

「Everytime Grab」は、うちは配車サービスだけではありませんよという意味だ。料理の宅配もやる。荷物の運送もやる。支払いも受け付ける。どんなことでもグラブがやりますと言っている。

東南アジアでは、グラブはタクシー代わりの乗り物サービスではない。生活のすべての面で、さまざまなサービスを提供している。

そして、何よりも不可解なのは、グラブのような配車アプリでかつエブリタイム・サービスを行う会社がなぜ、日本に「ない」のかということだ。

政府は日本が世界の潮流に遅れてしまうことを是とするのか。

「おもてなしニッポン」が国是であるなら、なぜタクシーしか走っていないのか。

このままのサービス大劣化状況のまま、日本国民は2020年の東京オリンピックに突入せざるをえないのか。

シンガポールでグラブの現場を見て、わたしは日本がいかに遅れているかをただただ痛感するばかりだった。(敬称略)

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