「つゆ染み」「つゆ含み」にこだわり
最後にファミマのおでんは、売り場を「おでん処」と命名するだけあって、より本格志向になった。こだわりは、やはり「つゆ」。
「焼津産鰹節と北海道産真昆布に丸鶏の旨味、今年はさらに野菜だしを入れて、後味まで奥深い風味が続くよう仕立てました。繊細なだしの旨味をすっきりと飲みほしていただけます」(ファミマ広報)
飲んでみると、なるほど、コク深くてやさしい味のスープのよう。セブンやローソンのつゆとはまた違う「だし感」だ。
おでんだねはリニューアルした定番が出そろったが、中でも玉子商品のブラッシュアップが光った。人気が高い「こだわり味付たまご」(90円)は、黄身まで味が染み込んだしっとりとした食感に。「だし巻玉子」(110円)は、「つゆが染みやすいよう、玉子の巻き方を緩くした」と手間ひまをかけた。
「そのほか、厚揚げは豆腐をより柔らかくして、つゆが絡みやすくするなど、今年の改良ポイントはつゆ染み、つゆ含みの向上です」(ファミマ広報)
注文の分だけ販売する「レンジアップおでん」
番外編のビッグニュースは、今後ファミマは一部店舗で「レンジアップおでん」を販売するという。常時、おでん鍋を売り場に置くのではなく、注文が入った時だけおでんをレンジで温めて提供する新スタイルだ。鍋を仕込むことなく、廃棄率の改善も見込める。このスタイルを支持する声が大きくなれば、従来の販売スタイルを覆す、「次世代おでん」が生まれるかもしれない。
こうして令和時代も、コンビニおでんは健在だ。注文時、「つゆ多め」と頼むのはOK。今年はおでんそのものを楽しむのはもちろん、地域ごとにだしが違うつゆを使って、自在にアレンジするのがトレンドになりそうだ。