走ることによって得られる仕事のメリットもある。

「走って汗をかくと、全体的にメリハリが生まれるんです。走りながらいろんなことを考えているので、仕事での判断が速くなりました」

上野氏の経験談は、樺沢氏によれば脳科学的に裏付けられたものだ。

「有酸素運動をすることで集中力と記憶力、創造性が高まることが実験で明らかになっています。そのため、集中力が切れた夕方にジムへ行けば、もうひと頑張りできるようになります。夕方は代謝が最も高まる時間なのでダイエットにもおすすめですね」

上野氏によれば、続けるコツは何より楽しむこと。

「トライアスロンは、結果よりは完走が大事です。私は、水泳と自転車の練習はほとんどしません。一方でジョギングは出張先や自宅周辺で毎朝できる。無理なく続けられる運動から始めるのがおすすめです」

日々の散歩は、うつの予防に

JR西日本の来島達夫社長の習慣は週末2時間の「町歩き」。その効果もあるのか、長年の付き合いがあるJR西日本のとある社員は「もう20年くらい体形が変わっていませんよ」と驚いている。

来島達夫●西日本旅客鉄道(JR西日本)社長 1954年、山口県生まれ。78年に九州大学卒業後、旧国鉄入社。2012年代表取締役副社長、福知山線列車事故ご被害者対応本部長。16年6月より代表取締役社長。

「もともと、時間があった頃は六甲山の縦走大会に年に一回出ていました。朝5時から夜7時までアップダウンのある山道を歩くと、よいリフレッシュになります。旧国鉄時代、仙台にいたとき蔵王に登山したこともあります。最近は登山からはすっかり離れてしまいましたが、その習慣があったこともあり今はもう少し神戸の海のほうの街歩きを続けています」(来島氏)

樺沢氏によると、週2時間以上の運動は認知症発症率を大きく下げることにつながる。

「散歩はうつ病予防にも効果があります。フィンランドの研究では、1カ月の間5時間以上自然の中で過ごす人には、うつ病の人がほとんどいないという結果が出ました。月にたった5時間自然の中で過ごすだけで、ストレスの大部分が発散できるのです。また、この効果は、自然の中に限らず、街中の公園でも得られることがわかっています。日中の散歩(特に公園や緑の多い場所)が、いかに効果的かわかる研究です。一定の運動時間の確保が難しい方は、毎日30分でもよいので公園でランチを摂りましょう。緑や青空を見ると気分転換になる自然効果というものを得られます」

来島氏は、毎週末の定番散歩コースがあるという。

「よく歩くのは兵庫運河沿い。サッカーのノエビアスタジアム神戸の芝生広場から見る神戸の景色はキレイで、軽く走ることもあります」