チャットツールを導入する会社が目立つようになった。便利な半面、集中を妨げられやすいという欠点もある。コンサルタントの清水久三子氏は「何も考えずに反応し続けると、本来の業務がはかどらない。チャットの用途に合わせて、使い方の『マイルール』を決めるのが大切だ」という――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/skynesher)

何も考えずに反応しているとストレスが溜まっていく

ビジネスコミュニケーションのツールとして、メールに加え、ビジネスチャットを導入する企業が増えています。便利な半面、仕事の集中を妨げられる、いつも即レスを求められるようでプレッシャーを感じる……など、不満をもつ人もいるようです。

チャットツールを使いこなせるか、それとも振り回されてしまうかは、ツールとの向き合い方によります。マイルールをしっかりと決め、効果的なコミュニケーションを目指しましょう。

「ちょっといい?」から始まる仕事中のカットインに時間を奪われてしまうという現象は、チャットの導入前からありました。以前は同僚や上司が近くにいるからこそ生じた悩みですが、チャットの場合には近くにいなくても可能なため、集中を妨げられる機会は格段に増えます。何も考えずにとにかく反応していては、自分の本来業務がはかどらず、ストレスはたまるばかりです。

コラボレーションが目的なら「即レス」

メールの場合は「朝と夕方と1日2回、返信タイムを決める」「とにかく即レスして受信ボックスはいつも空にする」などのマイルールを決めればすみますが、チャットの用途はメールより幅広いため、一律にルールを決めるのは困難です。このため使い方によってマイルールを決めていきましょう。

●コラボレーション(協働)ツールとして使う場合

そもそもビジネス用のチャットはIT企業の開発者向けに広がったツールです。目的は開発作業で次々と発生する問題を素早く共有すること。この場合、開発業務が自分の本来業務であるため、チャットは仕事上不可欠であり、仕事を進めるには「即レス」が前提になります。トラブル対応となれば、さらに緊急性が増します。

開発業務に加え、編集業務やサービス提供におけるオペレーション業務などでチャットを使う場合も、即レスが望ましいでしょう。いずれも対話のために必須ですから、集中を妨げられるということにはなりません。ただし、チャットの使い方がこれ以外の場合には、自分の本来業務との兼ね合いを考えていく必要があります。