“勝負の日”まで我慢することの功罪

【せいじ】ひとつ気になったんですけど、質問してもいいですか?

【きょうこ先生】どうぞどうぞ。

吉川雄司著・月花瑶子監修『やさしく正しい 妊活大事典』(プレジデント社)

【せいじ】さっきの図には「禁欲しない! 週に2~3回は出しておく!」って書いてましたけど、なんだかため込んだほうが「渾身の一発」が発射される気がしているのですが違うんですか?

【きょうこ先生】渾身の一発!? 確かにそう思ってる方は多いですよね~。結論から言うと、ため込むことは精子の健康にとってはよくないです。

【せいじ】えーそうなんですか! どうしてですか?

【きょうこ先生】みかんの入った段ボール箱のようなもんですかね~。

【せいじ】す、すいません……解説をお願いします。

【きょうこ先生】「禁欲がなぜ精子にとって良くないか」を説明するには、少し難しい単語を使って説明することになるんですけど、その前に「みかんの入った段ボール箱」、いわゆる「みかん箱」を例にお話ししますね!

【せいじ】はい。よろしくお願いします。

【きょうこ先生】「みかん箱」って、下の方のみかんが腐りはじめたら、どんどん周りのみかんもダメになっていくのを見たことあります?

【せいじ】はい、おばあちゃん家にいつもありました。

【きょうこ先生】キンタマが「段ボール箱」で、精子が「みかん」だと思ってください。

【せいじ】なるほど……先生が言いたいことが何となくわかりました!!

【きょうこ先生】それは良かったです。詳しく説明すると、精巣内にある古い精子からは「活性酸素」というものが産生されます。それによって精子や精子を作る細胞がダメージを受け、結果として精子を作る力が低下していくんですね。また、精子の先っちょについているDNAが断片化(二重らせん構造が引きちぎれること)し、精子の質の低下をもたらしてしまいます。

【せいじ】なるほど……とりあえず……「みかん箱」で覚えます! 無理に我慢しなくていいということですね!

吉川 雄司(よしかわ・ゆうじ)
ヘルスアンドライツ 社長
妊活や不妊治療に取り組む夫婦をサポートする事業を展開。クラウドファンディング「妊活大事典プロジェクト」発起人。twitterアカウント:@UG_0117 ブログ:https://ameblo.jp/yy-0117/
月花 瑶子(げっか・ようこ)
産婦人科専門医
東京・新宿にある不妊治療専門クリニック杉山産婦人科に勤務。ヘルスケア企業にて医療監修のチーフアドバイザーを務め、講演なども行っている。
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