これまでの公約の中でも最も具体性が乏しい内容

政権復帰後、5度目の国政選挙公約となる今回は「力強い」「しなやかで」「安心」「元気な」「快適で」「強靱な」などの形容詞が続く。これまでの公約の中でも最も具体性が乏しい内容といえる。

今回の対北朝鮮、対ロシア政策についての記載は、常勝自民党が公約を軽視したことによって生じたことと言うことができる。

政府方針と齟齬のある内容が自民党の公約に紛れ込んだ理由について、先ほどは「『本編』と『政策バンク』を使い分けた」という自民党関係者の見立てを紹介した。その一方で「政策バンク」の方は従来蓄積された政策をそのまま羅列させただけで、きちんとしたチェックが入らなかったのが原因との見方さえある。

どちらが正しいのかは分からないが、いずれにしても、自民党内で公約に対するこだわりが乏しいことにかわりはない。これは、有権者を軽視していると言ってもいい。

参院選に合わせて衆院を解散し、衆参同日選となる可能性が今も語られ続ける中、選挙戦で有権者軽視が明らかになってくれば、自民党は選挙戦で思わぬ逆風にさらされるのではないか。

(写真=時事通信フォト)
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