医学情報に基づいた「健康被害のないダイエット」はできる
摂食障害を予防するためには学校による対策も必要です。提言としては、①完璧主義、過剰な頑張りへの礼賛を考え直す、②クラブ活動におけるダイエットに厳格な節度をもつ、③ストレス対処能力を高めるような講義を授業の中に組み入れる、が挙げられます。
若い女性がファッション性からやせたいと思うのは理解できます。ただ、21世紀の科学の時代には、正しい医学情報に基づいた、健康被害が起こらないダイエットができます。医学的に減量の必要のない女性が、健康被害を招きかねないダイエット情報をうのみにしないようにメディア・リテラシーの教育も強化したいものです。
もし、お子さんが必要のないダイエットに没頭している場合は、何か困っていることはないか、心身とも疲弊していないか、逃避したい課題を抱えていないかを気遣いましょう。そして、必要なダイエットは医師や管理栄養士などの専門的知識を得て行いましょう。
鈴木 眞理(すずき・まり)
政策研究大学院大学 教授/医学博士
日本摂食障害学会理事。1979年長崎大学医学部卒業、1981年東京女子医科大学付属病院内科2練士研修医。1985年東京女子医学博士学位取得、アメリカ・ソーク研究所神経内分泌部門留学。1999年東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科准講師。2002年より現職。日本内分泌学会理事、日本摂食障害学会理事、一般社団法人日本摂食障害協会理事。
政策研究大学院大学 教授/医学博士
日本摂食障害学会理事。1979年長崎大学医学部卒業、1981年東京女子医科大学付属病院内科2練士研修医。1985年東京女子医学博士学位取得、アメリカ・ソーク研究所神経内分泌部門留学。1999年東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科准講師。2002年より現職。日本内分泌学会理事、日本摂食障害学会理事、一般社団法人日本摂食障害協会理事。
(写真=iStock.com)