一度、自分の表情や態度に着目してみてほしい。実は、多くの人は自分自身が「声をかけにくい態度や表情」をしていることに気づいていない。
この、普段の何気ない表情のことを「デフォルトフェイス」という。鏡に映っている表情は「デフォルトフェイス」ではない。無意識、無自覚にしている表情こそ、いつもの表情であり、それが周囲に影響を与えている。よく言われることだが、会社からの帰りの電車の窓に映った「ふと目にした自分の姿」こそが、私たちの本当の姿だ。
フィードバックの重要性
そして図表1のように、何気ない表情一つで成長や改善の機会が左右されてしまう。
解決策は単純だ。常に見られている意識を持って、表情を前向きに、快活に、相手に話しかけてもらいやすい状態を意識してみることだ。
身近な人にいつもの表情をフィードバックしてもらうのも参考になる。「今、暗い顔してたよ」や「なんか今日明るいね」などを教えてもらえると、デフォルトフェイスを認識しやすくなる。
思考は表情に現れる。私たちも、面接において「表情」を重視している。それは年間何万人と研修やコンサルティングで多くの人とお会いする中で、「いい企業やいいリーダーにはいい表情が集まる」と確信しているからだ。
デフォルトフェイスを整えることで「周囲が声をかけやすい状態」にこだわれば、職場の雰囲気の改善、ひいてはあなた自身の成長を促してくれるのだ。
メールを「いったん放置」する残念な人
表情と並んで、相手への気遣いが最も出やすいもう一つの場所が「メール」だ。依頼メールになかなか返事が来なかったり、締め切り直前の案件についてのメールで曖昧な内容が返ってきたりと、あなたも歯がゆい思いをした経験があるのではないだろうか。
メールにおける相手への気遣いの最大のポイントは「誰の仕事も後回しにしない」ことである。
忙しいときに誰かから仕事の依頼がメールで届いたとしよう。このとき、人の反応は2つのタイプに分かれる。
1つ目のタイプは、メールを開かずに一旦、無視して、後で確認するタイプ。2つ目のタイプは、とりあえずメールを開いて読んで、その場で対応方法を即座に考えるタイプ。
どちらにしてもメールを読んで対応を考える時間は5分程度のものだが、あなたはどちらのタイプだろうか。